
『心に残る、価値のある本です』
デンゼル・ワシントンが出演した映画「Cry Freedom」(遠い夜明け)の原作本です。人種隔離(差別)政策、アパルトヘイト真っ盛りの南アフリカで、黒人も人間であることを、命をかけて主張した人たちの活動を書いた本です。
アパルトヘイト政策の実像は、想像もできないものでした。活動に加わったために、警察署に連行され、警官に署内で殺された登場人物もいます。詳細は書きませんが、人種差別は、男女差別の人種版という程度の認識しかなかった私の認識が、完全に改まりました。知っていると思っていることを、実は何も知らなかったことに気づきました。お勧めです。ぜひ読んでみてください。
本書は、隔離され差別され抑圧された黒人の惨状を描いているだけではありません。黒人が自分も人間であることを主張し立ち上がると、殴り殺されてしまう危険もある社会のなかで、堂々と自分の主張を、命がけで主張し続ける人たちの姿を見て、感動でも、怒りでも、悲しみでもない鳥肌が立つような感覚になりました。
脅しも、暴力も、死も恐れず、「真っ直ぐに立ち堂々と生きよう」と主張し続けるBIKOの姿は、人間として尊敬できる美しい姿です。自爆テロなどとは次元の違う、威厳と尊厳に満ちた活動です。
長いものに巻かれ、多数派に迎合し、自分を抑え、背中を丸めて生きている自分ですが、彼らの姿を読み勇気をもらえた気がしました。
お勧めです。
100ページの短い本ですので、英語の本書で読んでください。英語だからこそ、彼らの姿が、そのまま伝わってきます。「Cry Freedom」が、「遠い夜明け」になってしまっては、違うものになってしまいます。